PLATEAUについて
日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクトである 「Project PLATEAU(読み:プロジェクトプラトー)」を題材として、 7/17(土)〜18(日)の2日間でチームビルディング・デモ開発・プレゼンまでを行うイベントです。
PLATEAUデータは、VRワールドやARアプリを作るときに使えるのはもちろんのこと、建物ごとに含まれている構造データ(木造・鉄筋、耐火など)を使えることで発想がぐんと広がります。CityGMLという形式で作成されているのですが、実際にモデルとして取り込む時にはOBJ形式、FBX形式などに変換されているものを使います。
ただひとつひとつのデータが重いため、Unityなどのゲームエンジンに取り込むにも工程がいくつか必要になったりしました。そのあたりはやはり各チーム苦労していたようです。ひとまずはPlateauView(ブラウザでPLATEAUモデルを閲覧できるアプリ)を使ったり、緯度経度などで必要なモデルの位置を見て、分割されているPLATEAUデータから必要なところのみ取り込む、という対処をしていました。
チームビルディング
僕は「チーム巨災対」として参加し、「わりと本気でゴジラ対策をしてみる」というテーマで開発・発表をしました。
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2日間のスケジュール |
ハッカソンは時間が限られていることからとにかくスピード勝負です。そういう意味では巨災対はスムーズで、まずはGoogle Documentに同時にアイディアを書き込みまくり一気にブレストをし、
👦「ゴジラ対策すると言いましたが、やっぱゴジラ視点で壊したいですよね」
👨「国交省は破壊しましょう」
👱「熱線での被害総額をスコアにしましょう」
👨「そうなると「わりと本気で東京こわしてみた」ですね」
とおおまかな方向性とイメージは共有でき、各自UnityにPLATEAUデータを取り込みながらそれぞれの作業をし始めました。
僕は2日目の午前中は参加できないことがわかっていたので、発表動画前半分の素材をUnityで作成し撮影しておき、2日目早朝に勢いで映像のドラフトを作ったのでそのまま午後は映像をまとめることにしました。
派手に壊そう!というオタク的ノリと、アウトプットをなんとなく共有しつつ必要そうなものを爆速で仕上げるというエンジニア的ムーブで、意外と統一感と説得力のあるプレゼン資料が出来ていきました。
テーマ
全体のテーマをみると、災害対策、文化オブジェクトのマッピング、ナビゲーションの3次元化など面白そうなものがたくさんありました。チームビルディングで3〜4チームを回って話を聞いた時点でも、会社レベルのところがあったりチームが出来ているところもあってバラエティ豊かでした。
国交省を破壊してしまうということから入賞を最初から考えていなかった我々は、逆説的に
「都市を守るためには壊れ方を知っていなければならない」
という方向から、シミュレーションや計算に力を入れました。内容は「ゴジラが東京を壊す」というシンプルさで説明不要なのも楽だったかもしれません。
プレゼン
各チーム5分の発表、Q&A5分ということで、5チーム目の我々には発表開始からも40分の作業時間がありました。
Unity上のPLATEAUモデルのなかでアニメーションを動かすのは非常に処理が重く、実際にシミュレーション動画素材が揃ってきたのは15:50でした(むしろ発表までに素材を出力してくれたのが凄いレベル・・・!)。
カット割りをして仮素材を本番素材に入れ替え、GoogleDriveに共有し発表資料に埋め込み・・・というのが15分で出来ると見当をつけていたので、結局16:00から、発表する16:45までに3回ほど差し替えをしました。おかしいマージンがないぞ・・・?(゚ω゚)
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臨場感のあるSlackコメント。 4チーム目のQ&Aを聞きながら。 |
1分前に完成した動画
そして結果、全く想定外のグランプリを頂いてしまいました!!
完成度の高いチーム、社会的意義がとても大きいチームがたくさんあったので、間違って3位とかに入れたらびっくりという気持ちでいたため本当に驚きました。
コッコウショウツブシタケドイイノカナ・・・(゚ω゚)
まとめ
審査員の方々の反応をみると、
「怪獣を災害のメタファーとして捉えフィクションをかぶせることで臨場感のある災害対策に繋げることができる」
「計算に係数(怪獣からの距離や建物高さを基にした値)を設定したことで拡張性がある」
など、テーマの深いところを読み取って頂いており、とてもやりがいを感じられました。
ホントダヨ(゚ω゚)
日頃行っているXRを活用したリアル空間の拡張などにも、PLATEAUのようなオープンデータはとてもありがたい存在です。
今回ハッカソンでの参加中に、短時間でPLATEAUモデルを取り込む方法を探したり、実際に国土交通省の方に質問したりこのへんのデータ欲しいですというやりとりができたり、データモデルへの理解の解像度も上がりました。
PLATEAUのデータを活用してみたい!というだけで徒手空拳で挑んだハッカソンでしたが、素晴らしいチームや参加者、審査員含めた運営さんに恵まれた貴重な機会となりました。
今後も使い倒してみたいと思います。